サークル 依頼制作

クラブイベントフライヤー制作作業あれこれ

投稿日:

 
 
はじめに
 
最近のクラブイベントはイケてる告知フライヤーが多い。
->みんないいデザイナーを抱え込んでいるっぽい
->自己アピールしておかないとパイの奪い合いに勝てない(既に負けてるとか言うな)
 
ので、備忘録・ナレッジの共有・自己アピールを兼ねて、先日手がけたフライヤーの制作作業をまとめます。
->私の仕事っぷりを見て興味持たれた方はお気軽にお声掛けください
 
 
 
-------------------------------------------------------------
こんなフライヤーをつくりました
 
先日手がけたフライヤーはこちらです↓↓
 

 
クラブイベント "Layered #01" は、2018年10月14日(日)、京都Club Metroで開催です。
私も(急に具合が悪くなったりしない限りは)遊びに行こうと思ってます
 
 
 
-------------------------------------------------------------
制作の流れ
 
当方はだいたいは「イラスト+組版」のペアで依頼を受けることが多いです。
たまに組版のみを依頼されることもあります。
 
おおむね普通の流れで普通にやってます。
 
↓↓↓
 
(1) 依頼を受ける
・注文内容等と自身のスケジュール等から受注するか判断。詳細は後述
 
(2) イラスト+組版の案作成、提示、すり合わせ
・ケースバイケースで、幾つか案を出したり、一本だけで押し通したりします。理由?お察しください
 
(3) イラスト制作
・期日・進捗に合わせて都度中間報告・都度すり合わせ
・イラストがおおむね完成したら提示。組版作業に移行
 (この作業中に、紙面に記載する文字情報を展開しておいてもらう。
  イラスト完成時点で文字情報が未展開の場合はダミー文章で仮置き)
 
(4) イベントロゴ制作
・当方は普段はやりません。(もしやる場合は別料金で)
 
(5) 組版作業
・イラスト制作とだいたい同じ。(都度進捗報告&すり合わせ)
 
(6) 入稿データ作成
・依頼者側から印刷業者や入稿用テンプレートが提示されていればそれを利用
 ・提示されていなければ確認
 ・既知の間柄であれば「ここのやつ使うからヨロシク」で済ますこともある
 
(7) web告知用データ作成
・といってもリサイズしてカラーモード確認して「はいこれ使ってね」するだけです
 ・別途バナーなりアイキャッチなりつくってねという場合は別料金で
 
 
 
-------------------------------------------------------------
先に言っときたい:依頼の受注判断基準について
 
・下記などから受注するか判断。
 ・注文内容(テーマやコンセプト、完成物イメージ、(紙媒体であれば)印刷仕様、制約事項 等)
 ・期日
 ・ギャランティ
  ・親密な間柄からの頼みの場合は義理優先でギャラ不問とすることはあります
 ・依頼を投げてきた理由(特に、”他人ではなく当方に”頼む理由)
 ・その他文面全体(文章がちゃんと書けてるかとか)
 
・こんなのは断る
 ・単純に期日が自分のスケジュールにミートしない
 ・注文内容/期日とギャランティが不釣合い
 ・注文内容が自分の作風に合致しなさそう
 ・注文内容に不足が多すぎる
  ・こちらからいちいち一から十までヒアリングする必要がある、とかは経験上ほぼ地雷案件なので蹴る
 ・文面があやしすぎる
  ・日本語が不自由だと信用ならない
   ・最悪の場合はギャラ未払いで逃げられるまで有り得るので(被害経験有り)
  ・海外(中国とか)からの依頼も過去にあったけど、得体が知れない場合は蹴る
   ・正直なところ、もし受ける場合は仲介人を立てたい。ノウハウが不足しているので
 ・依頼の仕方が無礼
  ・俺はお前の都合のいい道具では無い 
 
 

俺はお前の都合のいい道具では無い(二回目)
 
 
 
-------------------------------------------------------------
どんなことを意識してつくっているか
 
基本的には「可読性」と「ターゲットとする客層にミートしそうなコンテキストで」です。
イベントに興味を持ってもらうという目的のためにちゃんと機能するか、これが唯一絶対
 
イラスト及び組版の趣向は、依頼内容に沿いつつ、その時その時の自分の中での趣味嗜好に従ってやってます(これは訳すると「気分による」とも言う)。
今回は、主に映画のフライヤーをたくさん並べてデザインを参考にして制作しました。
(特に、手元にある方は《リズと青い鳥》のフライヤーをご覧いただくと、言わんとしていることを察せられるのではないかと)
 
 
 
●可読性を踏まえた上での組版について
 
・ポリシーを持った配置・配色を
 ・今回は上品に見せるために明朝体を採用、それに合わせて文字配色は日本の伝統色を採用
  ・「日本の伝統色」についてはググると参考サイトがたくさん出てきます。いい時代
 ・配置はセンタリングで統一
 
・凝りすぎない
 ・変形やテクニカルな配置はやらない(スタイリッシュにやれる自信がある人はやればよい)
 
・必要な文字情報をちゃんと読ませる(可読性重視)
 ・書きすぎない(情報の取捨選択)
 ・読ませたい情報ほど大きな文字で配置、そうでもない情報は半分装飾アイテムくらいの意図で配置
 
・カーニングは納得するまで徹底的にやれ
 
あと思い出したら追記するかもしれません
 
 
 
-------------------------------------------------------------
やったこと詳細
 
私はイラスト制作にはSAI v2を、調整および組版作業にはPhotoshopを使っています。
「あっ、組版作業はイラレじゃないんだ」と思われるかもしれませんが、まだイラレを持ってない時期にフォトショで組版をがんばってたおかげで、UIへの慣れという面で、フォトショでの作業で落ち着いてしまっています。
実際のところ、ベジェ曲線をいじらない限りはフォトショで問題なく作業できてしまっているのですが、実はイラレの方が効率も品質も上がる、とかだったら考えものなんだよなあ。職業DTPerの方々はフォトショとイラレどちらをメインで使い倒しているのだろう……。
 
 
 
●イラスト制作(ドローイング)
 
・イラスト制作自体のハウツーはここでは言及しません。べつにテクいことは特にやってないので
・「京都の風景をベースとしたイラスト(それに調和するフライヤーデザイン)」「『非日常空間としてのクラブとアニメやマンガ等のポップカルチャーのクロスオーバー』をイベントのコンセプトとしており、それに沿う印象のものを」といった注文を受けて制作にあたりました。
・依頼者の百合蔵さんとは親交もあり、当方の作風や過去制作物を十分把握してくださっている上でご依頼いただいたという背景もあり、今回は自分のいつも通りの作風でやらせていただきました。
 

これがこうなってこうなってこうじゃみたいな
 
 
 
●イラスト制作(調整)
 
ドローイング作業を一通り済ませたのち、調整の段階では主に下記のようなことをやったりやらなかったりします。
 
・線画の色トレス
 ・今回はキャタクタには特に色トレスはせず。もっとキャラクタアップな画角のイラストの場合はします
 ・背景の線画は残す派の人間なので、不透明度を調整した上で色トレスする
  ・特にポリシーはなく全体を見てバランスがとれるよう適度に
 
・被写界深度調整
 ・今回は広角めな画角のため、遠距離の建物にほんのすこしだけガウスぼかしを入れただけ
  ・望遠な画角であればもっとがっつりぼかし入れます
  ・ついでに言えば、オールドレンズ調の絵を目指すのであれば、ぼかし方ももっとこだわるべき。試行錯誤が足りてない!
 
・色バランス調整
 ・空気遠近法の意図のもと、遠距離の建物には青系のグラデーションを追加
 ・その他、全体と部分部分を拡縮繰り返す等してにらめっこし、バランスが悪い箇所は明度・彩度・色相等を微調整
 
・自作のオールドレンズ風フィルタ処理
 ・自作と言っても、トーンカーブのプリセットを何パターンか用意しているというだけです
  ・やや渋めの色合いを狙い、赤みを落とし、緑系の色味を目立たせる処理を加えてます
   ・現像された写真が経年により色褪せを起こしたあの感じを再現したいんですよね、やりすぎてもあれなのでバランスがむずかしいけど
 

 
・ノイズ付与
 ・デジタル彩色特有のテカテカとした質感を回避するために、粗さを加えます
  ・今回は4.0ptくらいで加えました
 

 
・色収差処理
 ・オールドレンズ風の画面づくりのため。キャラクタと背景両方に処理をかけてます
 
・周辺減光処理
 ・今回は不要と判断(日中の光量十分な明るい雰囲気を維持するため)
 
 
 
●組版作業
 
なんか色々やってはいるんですが、書き出してみると意外と言うことがない。
 
・今回は基本センタリングで配置を統一。ガタガタした配置は審美性の面で論外なので、とにかく何らかのポリシーのもとに「統一」されていることが重要です。
 

 
・文章を流し込む場合は「両端揃え」を使う(使わないと↓↓こうなる↓↓)
 

 
・文字は背景に埋もれないために縁取り。「光彩(外側)」や「境界線」を使用
 ・縁取りしないとめちゃくちゃ読みにくくなります。もはや悪
 

 
悪い例↓↓ 

 
・イベントロゴは、今回は「Bauhaus 93」フォントをベースに、レイヤー(=層)を意図した装飾を付与。加えて手持ちのすりガラス風素材を重ねた
 ・ロゴ背景は、作成したイベントロゴを複製 → ガウスぼかし → カラーハーフトーン をかけて情報量を水増しして使用
 

 
・(上に書いたことの再掲になりますが)今回は上品に見せるために明朝体を採用
 ・使用したのは「游明朝」。本当は筑紫フォントを使いたいけどお高くて手が出せない……
 ・明朝体を採用するクラブイベントのフライヤーはあまり見たことがないので、差別化も図れるかなと
 
・文字色には「瑠璃色」「藤色」を採用
 ・せっかく京都のイベントだしみたいな
  ・余談ですが当方のハンドルネームに「藤」を入れているので「藤色」は好きな色だったりします。余談おわり
 
 
 
・カーニングは納得するまで徹底的にやれ(二回目)。
 ・↓こういうことです
 

 
 
 
-------------------------------------------------------------
むすび
 
・色々書き出してみて&各所で知人友人から言及されて思ったのは、自分のイラストはまあまあカメラを意識したつくりになっているのかなと。まあ、制作スタイルにおいて、各地にロケハンに行き、写真をばしゃばしゃとってきて、それベースに描いているので、そうなるのは当然なんですが。
 
・とはいえ、オールドレンズ調の~~とか、経年による色褪せが~~とか言い出したのは、間違いなく京アニの《響け!ユーフォニアム》の影響だったりします。これ何度でも言いますけど、あのアニメの画面づくりはすごいですよ本当に。
 
・ナレッジの共有~~とか偉そうなことを言っておきながら、やったことを羅列しているだけで、あまり具体的なハウツーが書けてないですが、今の世の中ググれば各サイトが詳細に書いてくれてますので、がんばってください
 
・本記事は備忘録の意図が大半なので、今後思い出した/思い付いたら追記していくかもしれません。
 
 
 

-サークル, 依頼制作

Copyright© Caldeira Art Works , 2018 All Rights Reserved Powered by STINGER.